カタチを変えて、ココロを伝える。
日本テキスタイルを今に活かしたい。そう考えた時に巡りあったのは、
京都の伝統的な柄、京友禅の老舗「岡重」の羽裏でした。
羽裏とは羽織の裏地のこと。目にふれることのない羽裏に、
贅をつくし、美を表現した、先人達の優れたセンスが伺えます。
モダンな文様や繊細かつ大胆に描かれた図柄は、まさにアートそのもの。
時を超え現代においても普遍性をもつデザイン力を兼ね備えています。
150年余の歴史を受け継ぐ京の老舗「岡重」が所蔵する「羽裏染見本帳」から、
野菜や魚、浮世絵、貝などをモチーフにした4点の図案を選定。
明治、大正、昭和という時代を映し出す羽織裏の大胆な図案と色彩は、
世紀を超えて見る人の心をつかんで離しません。
【生地見本】 サイズ:91cm×92cm
個性豊かな文様を選りすぐり、伝統的な染めの工程をそのまま採用した、
岡重コレクションの復刻版は、着物のアクセントになるのはもちろんのこと、
ベーシックな色や柄に収まってしまいがちな現代のファッションにおいても、
さし色、さし柄となり、存在感を与えてくれるアイテムになります。
【使用イメージ】
見えないデザイン、魅せるデザイン。羽織裏という見えない世界のデザインから、現代の魅せるデザインへ。
「F CARRY」では、型友禅の伝統的染めの工程をそのまま採用して、
当時の状態に近い復刻版で再現し、「F CARRY」にしました。
自然界の動植物がいきいきと描かれたデザインの世界をお楽しみください。
岡重二代目岡島重助は、川の水に生地をさらして洗う
「友禅ながし」の一任者であり、希代の染色家です。
伝統的だけではなく、エジプト、インカ、ヨーロッパなどの様々な国の文様や、
浮世絵など、多種多様に広がるモダンな羽裏の世界で高い評価を得て、
重要無形文化財保持者(人間国宝)への内示を受けました。しかし、
「京友禅は多くの職人の手技による総合芸術。
私だけ授賞することはできない」と授賞を辞退。
人を重んじ、京友禅にかけてきた二代目岡重の熱い想いは、
岡重コレクションを通して、今もなお多くの人々の心を突き動かしてくれます。
浮世絵やドクロ、象や軍艦、南蛮人など、岡重のコレクションには、
その時代の風潮を反映させるユーモアあふれるモチーフがあります。
それはまさに、生活そのものがデザインのエッセンスになっている証。
和と洋が混在する解き放たれたデザインの世界に浸ることができます。