一筆、一筆、
京友禅作家・中村穂湖(ずいこ)が描く、ふろしき。
それは、もはや商品というより、作品というべき、一点ものです。
古典柄を活かしながら、そこに彼女ならではの可愛らしさがにじみます。
生地は、全面にでこぼこのしぼを作る丹後ちりめんの中でも、
よりしぼの高い鬼しぼちりめんで、しわがよりにくく、しなやかで、
凹凸の乱反射によって染め上がりの風合いが豊かな深みを醸し出します。
伝統に甘んじることなく、常に新しい目線で京友禅を描いている作家・中村穂湖。
京友禅を基盤にしながらも、美しさと可憐さの両方を兼ね備えた彼女の作品なら
和柄である前に、一つのテキスタイルとして、存分にご堪能いただけます。
和装の時には名傍役になり、洋装においても、洋でありながら和の気配が残る、
これまでにない、新しいコーディネイトの主役として、色を添えてくれることでしょう。
特別な日の特別な装いに、またワンランク上の日常の装いに、手描き京友禅を。
【使用イメージ】
特別な日常に、手描き友禅を。
友禅とは、友禅糊を使って布の上に模様を書き出す染色技術の一つです。
型を使って染める型友禅に対して、柄を一筆一筆、描くのが、手描き友禅です。
手描き友禅の大きな特色は、柄の輪郭を縁取ることによって、
隣り合った色と色が混じり合わず、多彩な模様が描けること。
その分、技術と時間を費やすため、現在では減少傾向にあります。
手描き友禅作家・中村穂湖さんは、地元京都で修業を重ねた後、
量産をはかれる型友禅よりも、減少傾向にある手描き友禅の道をあえて選びました。
柄に筆や刷毛を使って色を差す、彩色の職人の世界で7年間修業を積んだ後に独立。
彼女独自で考えたデザインに彩色を施し、オリジナルの着物を作っています。
さらに、友禅をもっと身近な存在に感じてほしいと、広島市に構えたお店を開店。
お客様から染色作業がみえるように、店内に作業場を併設している
全国でも稀なスタイルのお店です。
閉ざして守るのではなく、開いて新しい風をいれていく。
穂湖さんが描く友禅には、そんな願いにも似た想いが込められています。